富田直秀(Naohide TOMITA)     e-mail: tomita.naohide.5c kyoto-u.ac.jp  ←を半角に変えてください。


Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

E-Mail: tomita.naohide.5c@kyoto-u.ac.jp
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2009年07月04日

井手武先生を囲む会、そうして「夜と霧」

井手武先生を囲む会(退職記念)の写真を
http://salon151in.seesaa.net/
にアップしました。写真をクリックすると拡大像が、もう一度クリックすると全体像が表示されます。

 井手先生は、花粉症研究では日本を代表する研究者の一人ですが、学位を取らず、虚栄を張らない研究生活を貫いた方です。また、学生たちの良き相談相手でもありました。先生のおかげで医者になれた、と感謝する大勢の学生がいます。今回の囲む会は、井手先生の部屋に集まった飲み仲間や学生たちがボランティアで計画したものです。とにかく、2ページ目の集合写真見て下さい。集合写真を楽しそうに写すテクニックはいろいろあるのですが、この写真はなにもしていません。それぞれがそれぞれの思いの中で自然に頬笑んでいたり、物思いに浸っていたり、楽しそうにしている様子がおわかりでしょうか?
 先生は独特の絵も描かれるのですが、欲しい、と言われるとすぐに人にあげてしまうために、残っている先生の絵は、2ページ目に載せた桜島の絵ともう一枚だけとのことです。

 最近、アウシュビッツ収容所を経験した心理学者(精神科医 Viktor Emil Frankl の「夜と霧」(新訳)を読んでいて、人が何も持たずに生まれ出て何も持たずに死にゆく間に、いったい何が生きている意味なのか、と考えさせられました。フランクルは、自分を待つ家族がいたり、自分しかできない仕事があるといった「かけがえのなさ」が、絶望のために自殺願望を持つ収容者たちを思い止めさせた経験を記述しています。また、戦後に解放された収容者たちが奪われたモノや名を取り戻しても、なお絶望の中にいる場合があることも述べています。すべてを奪われた人たちが、奪われたモノや名(名も番号で呼ばれていました)よりも、過去から未来につながる人との関係性の中にこそ生きている意味を見いだした事実は、私たちに何が大切なのかを語ってくれているように思います。物質的には恵まれている現代人の多くや私自身は、この大切さを忘れてしまっているのかもしれません。モノや名にこだわらず、ひたすら人との関係性の中に生きる井手先生や先に紹介した富和先生の生活こそが、真に「豊か」なのだろうと思います。もちろん、豊かであるからといって安楽であるわけでは決してありませんが。
posted by トミタ ナオヒデ at 16:23| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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