富田直秀(Naohide TOMITA)     e-mail: tomita.naohide.5c kyoto-u.ac.jp  ←を半角に変えてください。


Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

E-Mail: tomita.naohide.5c@kyoto-u.ac.jp
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2009年08月01日

背中と耳

 毎年度はじめのメンタルヘルス講義を担当するようになってから,心中に苦悶を持つ学生と話す機会も多くなった.けれども,私が教員として彼らにしてあげることといえば,むしろしっかりとした厳しい壁を彼らの前に置いて,それを乗り越えるのを待つだけなのだろうと思う.また,一般の授業をしていて時々感じるのは,多くの単位を落としている要領の悪い学生の中にこそすばらしい能力が隠れていることだ.独自の感性と創造力を持っているが故に,かえって既成のレールからはずれてしまう場合もある.おそらく彼らにとっての誤算は,思いの外コミュニケーションが難しいことではないだろうか.このコミュニケーション環境の提供に関して,私たち大学教員は何とも無力だ.
 数ヶ月前から「清風荘学生サロン」という会を、清風荘(西園寺公望の元京都別邸であった家屋と庭園)で開催している.
http://www.keikikai.jp/salon/seihuso.pdf)当初は,学生と大学教職員,OBたちが自由に歓談をするところから始めた.様々な経歴を持ったOBの方々の経験談や人生談義は実に示唆に富み,また面白くもあったが,しだいに学生の参加者は姿を消していった.宣伝不足もあったのだろう.ただ学生に聞いてみると,たしかにためになる話なのだが,何か説教をされているようにも感じてしまっているらしい.そこで現在は,最初の簡単な自己紹介とストレッチ体操(人生ストレッチ、2009年06月29日日記参照)を終えると,その後は全く自由行動にした.
 世代を超えたコミュニケーションは本当に難しい.学生たちは話を聞きたいのではなく,聞いてもらいたいのだろう.けれども,ほら話してごらん,と言っても何を話せばいいのかわからない.そうか,学生たちは私たちが思うほどにはかまって欲しくはないのかもしれない.かまって欲しかったのはむしろ私たち年配者の方だったのだろう.けれども一方では,今の世の中に「村のお年寄り」の知恵が不足している事も確かだと思う.おそらく私たちのもう一つの誤解は、そういった知恵や経験が面と向かって「口」で伝えられると思っていたところだろうか.苦労と経験を背負った「背中」と、いつでも話を聞いてあげられる「耳」を、私たちは持たなければならないのだろう.
 はっきりとした目的やテーマのない歓談は続かない,といった批判もあるが,世代や立場の違う人たちが静かで自由な時間を共有する環境も必要なのだろうと,私は思い込んでいる.幸い,下の写真のように清風荘は四季折々にすばらしい環境を提供してくれる.ボッとたたずむだけでも,少なくとも私は楽しいのだ.同じように清風荘の静かな時間を楽しんでくれるたくさんの背中と耳があれば,いつか自然にコミュニケーションが生まれ育つ土壌のような場ができはしないだろうか,,
 話は違うが、家の庭に鳥の餌を置きだして、約2ヶ月半。やっと小鳥たちが集まるようになった。やはり、きちんと計画をして「餌」を置かなければだめだろうか、、
2004(平成16年)年6月撮影seifusou_6.jpg060712_1.jpg061208_11_000.jpg2004(平成16年)年6月撮影2.jpg2004(平成16年)年6月撮影seifusou_8.jpg2005(平成17年)年6月撮影.jpg
posted by トミタ ナオヒデ at 10:46| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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