富田直秀(Naohide TOMITA)     e-mail: tomita.naohide.5c kyoto-u.ac.jp  ←を半角に変えてください。


Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

E-Mail: tomita.naohide.5c@kyoto-u.ac.jp
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2010年11月16日

たまり場と「質」の育成

 なかなかブログを書くことができない.文字を通じたコミュニケーションの重さが,私の問題点の一つだ.しかし一方では,本当の「質」とは,文字を介さずに直接に集う「たまり場」的な環境の中から育つと確信している.創造性セミナー(http://www.keikikai.jp/salon/croquis.pdf)も,やはり直接に見て言葉を介さずに表現をし合う「たまり場」の一つだと思っている.

 12月に九州大学で行う集中講義の中日(12月3日)に行う特別講演の要旨を以下に転載する.研究においても,私の目的はやはり「たまり場」の形成なのだが,理解していただけるだろうか,,


講演名:「ヒトに関わる研究が役に立つための二つの視点」
 
 医療・ウェルネス産業は日本の次の成熟産業として期待されている.しかし,日本は世界をリードする高い医工学の基礎技術を有しながら,特に治療分野における実用化は欧米に大きく後れをとってきた.様々な理由を挙げることができるが,ヒトにかかわる技術の「目利き」が十分に行われていないことも,その根本的な理由の一つである.
 ヒトに関わる研究が「事業化」つまり,技術が持続的に役に立つためのシステムを獲得するためには,「実」(鳥の目)と「質」(虫の目)の双方の視点が必要であると言われている.前者の視点から考えると実用化による「功利」が「リスク」を上回っていなければならない.客観的大局的に事業化を考えると,個人の価値観をも量で表し(経済社会評価),その得失が判断される場面も必要となる.講演の前半では「どれだけヒトの役にたつのか」を定量的に評価する様々な手法(Visual analog scale, Standard gamble, Time trade-off)を実際に体験していただく.
 しかし一方において,ヒトを対象とした技術の「質」を支えているのは,得失を超えた「利他意識」である場合が多い.日本の産業の底辺を支えてきた利他的な技術への取り組みが,いま研究現場から急速に失われつつあることが科学・技術の根本問題であると言っても過言ではない.講演の後半では,前半に述べた事業化に伴う「リスク」を例として,その分類とリスクへの対応にあらわされる日本の特徴的な文化,そうして,リスクコミュニケーションに関する内外の動きに関して言及し,ヒトに関わる研究が実際に役に立つために考慮しなければならない実と質の問題を様々な角度から討議してみたい.

posted by トミタ ナオヒデ at 10:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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