富田直秀(Naohide TOMITA)     e-mail: tomita.naohide.5c kyoto-u.ac.jp  ←を半角に変えてください。


Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

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2013年01月20日

自分でパンツをはきかえる

  先日の朝.泊まりがけで研究室の引越し後の整理をしていて,ひょいと荷物を持った拍子にぎっくり腰になってしまった.数年に一度の定例行事ではあるのだが,今回は起き上がることもままならない,けっこうな重症例だ.ぶざまな姿で研究室に転がりながら,いやこれもチャンスなのかもしれない,と,周囲のモノたちとぎっくり腰を患った自分との関係性をじっくりと観察した.
  まず,やはりモノは整理整頓しておかなければこんな時にどうしようのない.ちょっとした邪魔モノをよけるのにも激痛が走る.部屋が整頓されていなければどこにも移動できず,何も取り出せないのだ.床を横切る一本の配線が大障害になる.床や机の汚れはそのまま衣服に付着する.やっと椅子に座れるようになってから重宝したのは,キャスター付きで背もたれのあるシンプルな椅子だった.高さや背もたれの角度を自由に調節できる高機能椅子は,とにかく重くて場ふさぎで不自由だった.トイレには頑丈な手すりが設置してあるのだが,一番手が届きやすい便利な場所にトイレットペーパーがあって邪魔をしている.このトイレットペーパーの取り付け具を丈夫にして体重をかけられるようにするのがまずは第一歩だろう,,,などなど,いろいろと発見はあったのだが,他を圧倒して最も重要であったのは,
「自分でパンツをはきかえる」
これができない不自由だった.私のこの一日の動作の中で,誰にも言いたくなく,誰にも手伝って欲しくなく,かつ,なんとも困ったのがパンツのはきかえだった.いや,どうにかこうにか一人ではきかえはしたのだが,無様な格好でパンツと格闘している姿は想像さえして欲しくない.
  12月03日のブログ「病人・身障者クロッキー」に,「言語に表されないその人の情報を形に残し,頭に叩き込む作業が必要不可欠である」,と述べて,病人・身障者のクロッキー画を描く試みを紹介したが,たとえば,たかが半日間患者と接していただけで「自分でパンツをはきかえることができない」というこの尊厳に関わる屈辱的.問題を「みる」ことができるのだろうか.体験装具などを使ってもっと根本的に企画を考え直さなければならないのではないだろうか,,,などと,また迷いが生じる.
  実を言うと,この企画を芸術家の方々に相談した時に,多くの人が暗い反応を示した.ある画家は,「芸術家はとにかく対象に入り込んで,吸い込みすぎるところがあるので,芸術家がそこに入り込むと相当にしんどいかもしれない,はたして持つだろうか,,」といわれた.なるほど,私はまだまだ鈍感なのだ.エンジニアにも,いや,これからのエンジニアにこそ,この芸術家たちの吸い込みすぎるしんどさが必要なのだろう.とにかくは,まず体験してしてみなければならない.

,,,それにしても,この時間と無さと腰の痛さはどうにかならんものなのか,,,




posted by トミタ ナオヒデ at 11:27 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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