富田直秀(Naohide TOMITA)     e-mail: tomita.naohide.5c kyoto-u.ac.jp  ←を半角に変えてください。


Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

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2013年03月26日

京都大学

  大学院の修了証書授与式の後に謝恩会(のようなパーティ)が開催された.その中で,昨年退職され,今は同窓会長を勤められているMAT先生と,今年ご退職予定のMAK先生のお二人のお話が好対照で特に印象的だった.MAT先生は,グローバル社会の中で世界の優れた人達と競い合っていくためにも,また個人的な悩みを解決していく上においても人脈を持っておくことが大切である,と述べ.その人脈が持続的であるためには教えてもらうだけではなくgive and takeの関係性が大切だ,と語られた.またMAK先生は,縦軸に能力達成のような量,横軸に年齢を対数目盛にしてグラフを描いてみる,と話を始められた.たとえば,横軸は1〜10歳と10歳から100歳が同じ長さとなるように目盛ってみると,幼児や若い人のその一つ一つの能力の向上がいかにすばらしいものであるか,を語られた.MAT先生が仕事や結婚など,学生のすぐ目の前にある心配事を例として挙げたのに対して,MAK先生は赤ん坊が立ち上がるということがいかにすごいことか,を例に淡々と述べられた.MAT先生が人生にはっきりとした目標と目標に向かう方法論を明示されたのに対して,MAK先生は多様な人生のサビのようなところを語られたように思う.私の偏った視点から見ると,MAT先生は「実」を中心に,MAK先生は「質」を中心に語られたように感じたのだが,それはまあ,どうにでも解釈できるのだろう.面白いのは,同じ機械系の中にも実に様々な価値観の人が混在していて,お互いに迎合するでもなく反目するでもなく,うまく棲み分けているところだ.上に紹介したおふたりの言葉は,それぞれの人生の基軸を最後まで曲げずに貫かれた結果でもあるのだと思う.これは,一般社会ではそう簡単なことではない(もちろん,お二人ともまだ「最後」に至っているわけではないが).
  そもそも,誰もが心の奥底にその人だけの強いこだわり(芸術を語るときには「絶望」と訳すが)を秘めていて,たいていそのこだわりは人に理解されない.理解されなくとも安易に迎合せず,人のこだわりも(とやかく言いはするが)尊重するところに,京都大学の真骨頂がある.一色には染まらないのだ.京都大学は自由を尊重する,とよく言われるが,それは英語の freedom ではなく,それぞれが自らに由る,ところの「自由」だろう.行動の自由度が高いのではなく,行動に自主性が求められている.安易にそれが心地よいとは言わない.自らに由ることの,迎合しないことの厳しさも十二分にあるのだ.京大で思春期を過ごした若者たちには,安楽な生活が提示されているわけではなく,辛くともどこか小気味良い生き方が提示されているのだと思う.
posted by トミタ ナオヒデ at 21:31 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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