富田直秀(Naohide TOMITA)     e-mail: tomita.naohide.5c kyoto-u.ac.jp  ←を半角に変えてください。


Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

E-Mail: tomita.naohide.5c@kyoto-u.ac.jp
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2013年05月13日

科学技術政策,,,

  政策モニターに登録していて,政策に関する意見を400字以内にまとめて月に一回程度内閣府に送る.一人でブツブツ文句を言っているよりは健康に良かろう,などと思って始めたのだが,書いてみると,我ながらどこか胡散臭くて,どにかく居心地が悪いのだ.

五月提出題名:科学技術政策に求められる「みる」力
本文:某製鉄会社に就職した学生の言です:「中卒高卒の人たちが責任をもって技術の核心「質」を維持している.紙に書かれた技術は海外に盗まれても,人を育てるシステムは今も日本を支えている,と実感する.」思えば,こうして日本を支えてきた人たちは,名を残さず,不況時には真っ先に首を切られてきたのではないでしょうか.日本の科学技術政策の成果は素晴らしいとは思いますが,紙に書かれた情報に翻弄されている一面もあると思います.名もない誠意ある仕事を「脚を使って」探し出す活動が必要であるように思います.ただし,情緒的な技術把握は様々な欺瞞・利害・価値観の対立を科学技術の世界に持ち込むパンドラの箱でもあります.正確な科学知識とともに,人と人,人とモノとの関係性を「みる」力,そうしてそれを政策に実現する実行力が科学技術政策に求められていると思います.

  要するに,文章や業績などのデーターばかりに翻弄されてお金をばら撒いてちゃいけねえよ,と言いたいのだが,「人と人,人とモノとの関係性を「みる」力が必要」と言っただけでは,いったい何を言いたいのか伝わっていない.どうすればいいか,という具体的な発案がない.我ながら自分を棚に上げて勝手なことを書くものだと思う.先日も,学生たちと来年の卒論テーマを話し合っていて,「問題解決のための道筋(ストーリー)と,何らかの最適化設計要素がなければ工学研究にならんだろう」などと偉そうに言う.後で学生がトコトコと寄ってきて「先生はどんなストーリーと最適化設計を経て○○を開発したんですか?」と聞かれると,そ,それはね,,と頭を掻く.
  本心を言えば,最初からストーリーと最適化設計ばかりにこだわっていたら,新しい技術など育ってこないのだ.もちろん,土台としての基礎は絶対に必要だが,プラモデル作りのようなここほれわんわん研究は教育としては成り立っても,本当の技術開発にはなり得ない.頭の中だけで練られた設計がうまくいくほど現実は甘くない.根底を覆すような基礎理論を土台とする技術は別だが,たいていの技術開発の肝の部分は,五感六感と脚を使い,手探りでこつこつと創りだされている.データを見て予測するよりも,関係性を「みて」方向性を感じ取る野生が創造性の根本にはある.合理的な検証力も大切だが,それが生かされるのは,創造性を管理しようと考えたり,おおかたの創造が終わって自慢話を記述する時だろう.要するに今の大学は合理的な検証力ばかりを教えていて,創造性の核心には触れていない.(いつか述べようと思うが,芸術大学は,今も創造性を念頭に置いた教育をしているように思う)
  私の話の胡散臭さは,現在の私が創造性の根本となる不安定で不安で妄想に満ちたところを避けて自慢話ばかりをしているところだろう.本当に創造的な活動しているとき,人は多くを語らない.日本の科学・技術政策も然りではないだろうか.自慢話ばかりが飛び交っていて,どこか胡散臭く,どこか居心地が悪い.
posted by トミタ ナオヒデ at 08:41 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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