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Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

E-Mail: tomita.naohide.5c@kyoto-u.ac.jp
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2015年11月25日

「共に勝つ」 (京都大学フィールドホッケー部、2015年OB会誌)

        「共に勝つ」

                      部長 富田 直秀(工学研究科医療工学分野)

  インカレ等での勝利はどんなにかうれしかったことでしょうか。うれしいだけではなく、共通の目標を持った友人に出会い、共に得た勝利は、これからの人生にも大きな自信を与えるのだと思います。今まで口ばかり偉そうなことを書いてきました私自身は、実を言いますと、何かを意図的にしようとすると、必ずその逆の作用が身体の中から現れてしまうタイプの、おそろしく要領の悪い人間でありました。高校で私はテニスをしており、練習量は誰にも負けなかったつもりなのですが、公式戦ではなかなか勝つことができませんでした。高校3年になって、やはりとても練習熱心な友人とペアを組むことができて、初めて公式戦に勝ち、さらに勝ち続けて夏には地区の代表になることができました。このときの自信が、つまり共に懸命になることができる友人を持ち、少々要領は悪くとも懸命さを続けていればいつか結果を出せるのだ、という信念が、その後の私の生活を根底から支えています。
  この共に戦った友人が、脳幹梗塞を発症して長い苦しい日々を送っていることをつい最近知りました。見舞いに行く新幹線の中で、私は涙を抑えることができずに、流れる風景にばかりに顔を向けていました。かつて臨床医であった私は、「他人の痛みをわかる」ことの欺瞞と難しさをよく知っているつもりです。人の痛みはわかるのではなく、自身の痛みと人の痛みが共鳴し合う事によって、かわいそう、という同情でも哀れみでもない、緊張した人間関係が生じます。修行僧が苦行を行うのも、こうした共感の双方向性の故かもしれません。この共鳴し合う時間を共有した友人の長い辛い痛みを知らずに、安穏としていた自分がなんとも情けなくありました。
  現役諸君がインカレ等で「共に勝つ」ことのできた経験は、どんなにか貴重であったかと思います。その勝利を導いた理由や要領をしっかり反芻して、これからの人生に活かすのももちろん大切ですが、共に懸命になることができる友人を持ったことのすばらしさもぜひ忘れずにいて下さい。そうして、卒業の後にも、この痛みを共鳴させることのできる緊張した人間関係を、永く続けていかれることを切に望みます。

posted by トミタ ナオヒデ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | プロフィール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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