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Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

E-Mail: tomita.naohide.5c@kyoto-u.ac.jp
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2019年01月25日

ああ、もっと狂っておけばよかった


「ああ、もっと狂っておけばよかった」
  (京大ホッケー部、OB会誌原稿)

              部長 富田 直秀
            (工学研究科医療工学分野)

  社会に出てから研究室を訪れてくれるOBたちが口をそろえて言うのは、「ああもっと勉強をしておけばよかった」、という言葉です。私たちは未来の記憶を持つことができないので、この真っ暗な未来に背を向けて後ろ向きに走っています。ましてや、運営を任され、つまり、後ろ向きに走る大型バスの運転台でハンドルを握らされ、バックギアーにつながれたエンジンのアクセルを踏み込まなければならない立場に置かれたとき、学問は一つの光明であるには違いないと思います。けれども、それぞれの歴史と法則性は、あくまである環境・条件内でのみ成り立つのであって、私たちの生活には、単一の法則や過去の流れのみでは予測し得ない数多くの不連続性があります。学問を知る、とは、学問で「何ができるか」を知ることの以前に、それぞれの学問がどういった条件下に成立していて、「何ができないか」を知ることであろうと思います。その時に求められるのは、あえて法則や習慣性から逸脱する「狂気」なのかもしれません。つまり、ヒトや社会の不連続性に対峙して、機敏に判断を変えていく本能のようなものかもしれません。
  一つ注意しなければならないのは、この狂気は「強いものが弱いものを虐げない」という基本的な原則の上に成立していなければならないことだと思います。強いものが弱いものを虐げると、そこに多様性は失われ、異常な状態(悪循環)が生じます。このような環境では、狂気は一変してとても醜い破壊エネルギーに変換されてしまいます。現代社会に、抑圧されたとても大きな破壊エネルギーを感じているのは、私だけではないのではないでしょうか?
  ここで言いたいことはもう明白ですね。スポーツなどを通じて、「正常な狂気」を体験しておくこと、つまり、弱さを虐げないように注意をしながら、あえて法則や習慣性から逸脱して、ものごとの不連続性に対峙する力を身に着ける、、、それは処世というよりは、意味のある唯一の人生を送るための極意かもしれませんね。「ああ、もっと狂っておけばよかった」などと後から嘆かなくてもいいように、正常な狂気を身に着けたいと、還暦を過ぎた今も切に思っています。


posted by トミタ ナオヒデ at 13:34| Comment(0) | プロフィール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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