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Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

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2019年05月07日

多様性を担う、攻撃性を受け止める、

多様性を担う、攻撃性を受け止める、
 
         富田(町井) 直秀

  5月2日ブログ「涙をこらえるのに苦労した、、、」のは、忌野清志郎さんの将来を案じる保護者を「何年か好きなことをやらせてみましょう」と説得した美術教師の小林晴雄さんに対してだ。小林先生は日ごろ、職員室を敬遠して美術準備室にいたらしい(参考:忌野清志郎「僕の好きな先生」)。
  もし私が教師として忌野清志郎さんのような生き方をする学生を担当したならば、叱ったり、説教もしただろうなあと思う。才能を信じたとしても、それが世にどう受け入れられるかなどわからない状況で、小林先生のように親御さんを説得する勇気があったかどうかも疑問だ。小林先生は、偉ぶらず、叱らず、説教もせず、そうして忌野清志郎さんを信じた。このやさしさが、絶望のぎりぎりのところから生まれているように感じて、私は涙を抑えることができなかった。
  蛇足を付け加えると、環境は常に不連続に変化をしていて、イキモノやヒトは環境に適合する能力だけではなく、現在の環境には不適合な多様性も有していなければ、その不連続な変化を生き抜くことができない。教師は、今の社会環境に適合する能力だけではなく、多様性も育てなければならない。たとえば、他とは異なる変わった人やモノは、現在の環境の中では嫌われ、排除される。その苦しさに対してしばしば攻撃性が生じ、その攻撃性は力で抑えることは難しく、社会を不安定にする。けれども、もし力で抑えて抹殺すると、多様性は消滅して社会はさらに不安定になる。
  多様性を育てる、と口で言うのは簡単だが、実際にそれを実践できるのは、自身も絶望のぎりぎりのところを経験した教師だけなのではないだろうか。私たちは、ただ、生れ出た多様な人やその仕事に、おもしろさ、かっこよさを感じているだけだが、本当にかっこいいのは、偉ぶらず、叱らず、説教もせず、攻撃性をやさしく受け止めることのできるコトであって、それは、目に見える行為ではなく、なかなか外からは見えない、しぐさのようなものだ。

posted by トミタ ナオヒデ at 14:35| Comment(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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