富田直秀(Naohide TOMITA)     e-mail: tomita.naohide.5c kyoto-u.ac.jp  ←を半角に変えてください。


Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

E-Mail: tomita.naohide.5c@kyoto-u.ac.jp
(@を半角に変えて下さい。たくさんのメールをいただいており、お返事できない場合が多いと思います。申し訳ありません。)

2007年08月10日

ぶつぶつぶんつう

崩壊寸前のボランティア活動の紹介です。

「文章を読んでいただく前に、同載しました1枚目の写真を見ていただきたいと思います。これは医師会報から転載させていただきました写真で、母親に抱かれた子供が今まさに注射を受けようとしているところです。母親と女医さんとの間には信頼し合った実に和やかな雰囲気が感じられますが、抱かれている子供は阿鼻叫喚の面もちです。病院における治療は医師と患者の了解の上に成り立ていますが、それはあくまで大人の世界のことであって、子供にとっては不条理以外のなにものでもありません。・・・  文章を読んでいただく前に、同載しました1枚目の写真を見ていただきたいと思います。これは医師会報から転載させていただきました写真で、母親に抱かれた子供が今まさに注射を受けようとしているところです。母親と女医さんとの間には信頼し合った実に和やかな雰囲気が感じられますが、抱かれている子供は阿鼻叫喚の面もちです。病院における治療は医師と患者の了解の上に成り立ていますが、それはあくまで大人の世界のことであって、子供にとっては不条理以外のなにものでもありません。大人ならばとても耐えられないだろうと思われる不条理に入院児は直面していて、外見だけはひょうひょうとしているように見えます。言葉であれこれ言いませんが、なにか「ぐっと重いもの」をお腹の底に蓄えているようです。ボランティアをしてくれている学生さんとの新年会の席でこんな話が出ました。入院している子供たちに会う前は何とも気が重いのです、けれども会うと心が安らいでいつまでも一緒にいたいような気持ちになります。理由はよくわかりませんが、子供たちの持っているこの「ぐっと重いもの」が勇気や安らぎを与えてくれているように感じます。
 さて、誰でもいつかはかかる麻疹や水疱瘡などの病気も、入院児にとっては命取りになりますので一般の子供は(入院児の兄弟でさえも)小児科病棟に入ることができません。入院して友達を作れた子はまだいいのですが、ひとりぼっちの子は全く大人の価値観の中に暮らす事になります。普段はいい子でいても時には悪さをしたりけんかをしたりするからこそ子供の生活が成り立っているので、しろくしじゅう大人の目にさらされていたら、どんな子でもまいってしまいます。昨年の夏に大学生たちが子供に接し始めたときは、いかにも大人しそうな子が大学生の髪の毛を引っ張るわ服に落書きをするわでもう大変でした。二枚目の写真は私たちの活動風景ですが、学生さんたちがエプロンをつけているのはそのためです。京大病院にはすでに院内学級や「にこにこトマト」という名のすばらしいボランティアグループがあって、ここで新たに学生さんを集めてもあまり意味がないのかもしれない、と思っていたのですが、子供たちが「悪ガキ」に変身する姿を見て、やっぱりよかった、と感じました。あまり激しい「やんちゃ」は病気の子供たちにはやはり危険かもしれません。せめて同年代の子供たちと文通ができれば、と思ってボランティアグループの名前も「ぶつぶつぶんつう」にしました。コンピュータ通信で「やんちゃ」をするといったいどうなるのでしょうか。心配もたくさんあります。言葉でひどく傷つけ合うようなことにはならないだろうか、その監視をしなければならないのだろうか、治療に悪影響を及ぼさないのだろうか、と、役所であれば検討事項の山を築くだけで、中止になってしまいそうな計画です。しかし、こう私は思っています。大人の世界は「疑うこと」を基礎において計画が成り立っていますが、子供の世界は「信ずること」から始まっています。本当は大人の世界でもそうでなくてはならないと思います。具体的に言いますと、自己の責任においてすべてを信じ、見守ることが必要なのだと思います。私は仕事のために定期的に病棟に顔を出して友達を作ることができません。私にできることと言ったら、こどもとボランティアの学生さんたちを信じることぐらいではないかと思っています。これから起こりうる事態にどこまで責任を持ち得るのか心配でもありますが、とにかく今は、コンピュータ通信を通じて入院児にやんちゃをさせてあげたいと思っています。心配するより生むがやすしかもしれません。小学校のやんちゃの風が病室内にも吹いてくれることを期待しています。

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ようこそ、愚痴のページへ

 そもそも、日本の社会ほどボランティア精神が虐げられている社会はない、と、思うのであります。ボランティアは「ヒマな人が人のために行う活動」と、思われているようでありますが、これは全くの誤解であり、「忙しい人が自分の生きざまのために行う活動」がボランティアであります。それは、誠意を持って働く、といった意味でどの分野の仕事にも共通するものであります。多くの職場では「ボランティアをするヒマがあるのならば、ここにもやってもらいたい仕事は山ほどあるのだ」といった意識がありますし、また、誠意を持って案件に対処しようとした人はたいてい難問処理係として虐げられる運命にあります。こういった擦り合いや押しつけ合いによって人の誠意が踏みねじられてしまう環境が多くの滞りの元凶であると、生意気ながら、思うのであります。
 省みれば、私自身も既に擦り合いの体質を身につけてしまっているのですが、、、、

posted by トミタ ナオヒデ at 13:21| 論文調の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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