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Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

E-Mail: tomita.naohide.5c@kyoto-u.ac.jp
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2007年08月10日

ちゃっちゃんの遊園地

「ちゃっちゃんの遊園地」
(ゆみる出版.ISBN: 4-946509-33-X)2003年出版

 「憶える」ことによって、ものごとの違いを見分ける知性が始まります。しかしそれだけではなく、「忘れる」ことによってものごとの類似性を知る知性が始まります。忘れた対象を探し出そうとする推理には、ものごとの「しくみ」が必要であり、そこから、目には見えない類似性を知ることができるからです。
 「憶えること」と「忘れること」のどちらも、つまり、違いを見分けることと類似性を知ることのどちらも人間の知性にとって必須の作用ですが、この本では特に後者の意味を探ってみました。本では、忘れっぽい子供「ちゃっちゃん」に登場してもらっています。

 客観性を要求される研究においては、「憶えて違いを見分ける知性」が必要とされる場合が多く、また、こころを扱う芸術分野では「忘れて類似性を知る知性」が必要とされる場面が多いようですが、この二つの作用は決して単独では意味を持ち得ないことを、この本では主張しています。様々な方々から反響をいただいていますが。
http://www.yoshimotobanana.com/cgi-bin/diary/diary.cgi?yy=2006&mm=01
には、作家のよしもとばななさんが感想を書いてくれています(よしもとばなな公開日記(2006.01.30)。叶恭子さん、って誰だろう。作家だろうか?と調べてみて、びっくりしました。

        「ちゃっちゃんの遊園地」
           エピローグ

                   なおひで

「正しさ」と「大切さ」とをごちゃ混ぜにすることによって、つまり正しいことを大切だと言ったり大切なことを正しいと言ったりして、私たちは知識を自分の都合のよいように力として使ってしまう時があります。私はその力を知の暴力と呼びます。知が暴力とならないためには「正しさ」と「大切さ」とをしっかりと見分けなければなりません。そうして正しい知識だからといってそれで人の心をしばってはいけない、大切だからといって正しさを曲げてしまってもいけないのだと思います。われわれ大人がこの複雑化した文明と文化とそうして子どもたちを守っていくためには、この知の暴力を使わない努力がどうしても必要なのだと思うのです。

posted by トミタ ナオヒデ at 13:40| 著作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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