富田直秀(Naohide TOMITA)     e-mail: tomita.naohide.5c kyoto-u.ac.jp  ←を半角に変えてください。


Dr.Tomita

プロフィール

富田直秀(Naohide TOMITA)材料工学出身。もと整形外科医。現在は医療工学、デザイン、再生医療、バイオメカニクス、バイオトライボロジーなどの研究をしています。

研究とは切り離しておりますが、学生の頃から少しずつ創りためている文章、絵、写真なども公開しています。興味のある方は右のMENUからお入りください。

E-Mail: tomita.naohide.5c@kyoto-u.ac.jp
(@を半角に変えて下さい。たくさんのメールをいただいており、お返事できない場合が多いと思います。申し訳ありません。)

2008年03月10日

すばらしい電話だった

すばらしい電話だった。

 まず、私の研究室のHP(http://www.iic.kyoto-u.ac.jp/sozo/tomita/)から「鳥から見た医工学と、虫から見た医工学」の記事の最終章「6.おわりに(虫の視点の重要性)」を読んでいただけるだろうか。宅間さんは、ポリエチレン製造会社の技術部長をされていた方で、社長と何度も衝突しながらも、人道的な立場からポリエチレン改良の Know How を私に教えてくれた方である。そのおかげで、当時問題となっていた人工膝関節の破壊を防ぐことができる材料(ビタミンE添加ポリエチレン)が開発できたのだ。開発には15年を費やして、やっと実用化の目処がたってきた。その経過報告をするために、すでに退職をされていた宅間さんのご自宅におじゃましたい、と連絡をしていたのだ。しかし宅間さんは、しばらくは忙しいので来ないでほしいと言われる。それではいつ頃が良いか、とおたずねすると、3月中旬になってみないとわからない、と言われる。私が何か気にさわることでも言ってしまったのだろうか、などと不安に思って、とりあえずお手紙で開発の経緯をお知らせしていた。
 それが今日、医学研究科で行われた学位審査から戻ってみると、留守番電話に宅間さんの声で「お話ししたいことがあるから連絡を下さい」との伝言。いったいなんだろうか?私は少々緊張した心持ちで、宅間さんのご自宅に電話をした。

「例の私のところに来ていただけるというお話しねえ。」
「はい」
「私の方からそちらに行ってもいいでしょうか。これからちょくちょく京大におじゃますることになりましたので。」
「はい、それはもちろん。たすかります。」
「今日ねえ、合格したんですわ。京大にね。」
「それはおめでとうございます。本当におめでとうございます。」
「入学式とかがあるでしょう。ですから、おじゃましますわ。」
「ぜひ、、あの、お子さんでしょうか?その方もでひ一緒にお会いしたいです。」
「いやあ息子じゃないんです。」
「え?」
「私なんです。合格したのは。」
「え、、、そそれは、すごい。おめでとうございます。あの、今日は学部の合格発表日ですよねえ。」
「ええ、理学部をね、受験しました。」
「す、すごい。僕も大学院を出てから再受験をしましたけれども、あの、その、センター試験は何とかできても、2次試験が厳しかったでしょう?年をとってからの2次試験は辛いでしょう。」
「そうです。それがね、センター試験を失敗しましてね、苦労しましたわ、2次試験、、」
私の脚はもう地面から飛び上がっていたかもしれない。こんなすごい、そうしてすばらしい電話は初めてだ。電話を切ってからも、私の脚は落ち着かず、研究室に行って学生たちに話して回った。すごい。すばらしい。あの宅間さんが。私も再受験をしたから、年をとってからの受験勉強がいかに辛いことかを知っている。しかし、もう60歳を超えておられるだろうに。すごい。しかも理学部!
 すばらしい以外に何も言えない。溜まった報告書の請求メールも査読しなければならない論文の山も、今日だけは私を苦しめない。ご入学お祝いはいったい何が良いのだろうか、、、

(宅間さんが合格されたのは「理学部」ではなく「医学部」の聞き間違いであることがわかりました。申し訳ありません。)
posted by トミタ ナオヒデ at 22:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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